CLOVER.では、積極的にアニマルセラピーを取り入れ、
その筆頭には、保護犬 『葉月』がカウンセリングの場に同席させてもらっています。
(※動物アレルギーがなく、同席が不快でないクライエント様のみ)
※
同席は、2回目以降のカウンセリングからとなります。
とはいえ、
当ルームの動物たちは、専門のトレーニングは受けておりません。
と、いうのも、葉月自身もまた、保護犬という特性から、人間への心の傷を背負っているからなんです。
それは、カウンセリングにお越しになるクライエント様と同じく、
彼女自身もまた、人間への怖さと向き合っているものととらえているからです。
葉月との出会いは、NPO法人 アルマティアハイムさんで、ボランティアの活動に携わらせていただいたときでした。
カウンセラーの仕事やアニマルセラピーをどう形づけていくか、まだ迷っているさなかでの、
葉月…彼女との出会いでした。
動物保護活動をされている多くの方は、保護され、新たな里親さんのもとへ巣立っていく子たちのことを、『ラッキーガール』 『ラッキーボーイ』 『ラッキーちゃん』 『HAPPYちゃん』などと呼びます。
それは、私が、我が家で猫たちを保護した時と同じ思いでした。
こんな環境の中で、見事に生き抜いた強運な子!
そして、
これだけの思いをして生き抜いた後の、これから起こるHAPPYに願いを込めて!
という思いです。
それは、長年、私が思っていることと、
そして、CLOVER.の『.』(ピリオド)に込めている思いと同じでした。
不思議な縁を感じ、葉月を家族に迎え入れることを決め、そして、CLOVER.で、葉月とともにクライエント様と心の問題に向き合っていくことにしたんです。
始めたころは、まだまだ、葉月を同席させることに躊躇もありました。
それは、葉月の福祉を考えた時に、同席が好ましいのかどうか、疑問が拭いきれなかったからでした。
ですが、その答えは、葉月自身が出してくれました。
葉月とカウンセリングに同席を始めて少し経った頃、
ふと、
とあるCLOVER.でのカウンセリングの時、
私がこの白衣を着ると、
『自分も行く!』とばかりに、はしゃぎ出すようになってきたんです。
特別な声掛けをしたわけでもなく、
我が家には他のワンころたちもいるので、彼女だけが残されるわけでもありません。
かといって、CLOVER.に出ると、
積極的にクライエント様にすり寄るわけでもなく、一定の距離感を保ち、ただそこに『いる』だけというスタンスを崩しはしない…。
ん?
行きたいの?行きたくないの???
正直、あまり、CLOVER.での同席している葉月を見ていても、嬉しいんだか、楽しいんだかの表現を感じないことも多くありました。
それでも、
行く前には、びっくりするほど、CLOVER.に行きたがるんです。
そして、さらにその後、
クライエント様からお言葉をいただくことが出てきました。
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なんだか、じーーっと、見てくれるんです。
それが何かはわからないけれど、
『許された』ような、そんな感じがしたんです。
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_______
ふと、見てくれる時があるんです。
泣きたい気持ちを、分かってくれたような気がしました
_______
_______
葉月ちゃんも頑張っているのを聞いたり、
怖いのに変わろうとしているのを見て、
私も頑張れると思うんです。
_______
などなど…
確かに、
CLOVER.にいるとき、
クライエント様を、じ~~~~~っと、ただただじ~~っと、
見つめるときが多くあります。
『見つめる』は、ちょっときれいすぎで、『凝視』ともいえるかもしれません。
犬の世界では、喧嘩を売ることにもつながるので、
ジーっと見るのは犬社会ではあまりしないほうがいいものですが、
それでも、じ~~~~っと、クライエント様を見つめます。
それは、
彼女なりの精一杯で、
まだ怖さがあって近づけないなりの、精いっぱいの愛情表現なのか…
少なくとも、そこに敵意は全く感じません。
それは、クライエント様は感じ取ってくださっているようでした。
私が一歩を踏み出しきれずに躊躇しているその時にも、
私自身が願っていた現象がすでに起き始めていたことが分かりました。
私自身よりも、
葉月が、私の意図するところを分かってくれていたのか、
はたまた、
彼女自身が、愛護センターの非日常的な恐怖の背景の中で、
感情を汲み取るアンテナが研ぎ澄まされてしまったのか、
さらには、
クライエント様の温かいお気持が、彼女の人間への人見知り・恐怖感を、
どんどん溶かしてくださっているのかもしれません。
そのようなうれしい誤算で、
不快ではないとおっしゃっていただけるクライエント様のカウンセリングに、
積極的に、葉月が同席するようになっていきました。
本当に、嬉しい温かい誤算でした。
アニマルセラピーと耳にし、
さらに、
当ルームのようなカウンセリングの場で取り入れていく…、
と聞けば、
盲導犬・聴導犬・介助犬…のような、
特別なトレーニングを受けたイメージをお持ちになられるかもしれません。
事実、私自身、アニマルセラピーを取り入れたいと考えた時、
特別なトレーニングを受けさせなければならないのか…と、
勝手な先入観にとらわれてしまったこともありました。
ですが、それと同時に、疑問や否定も浮かびました。
『特別な訓練を越えなければ、アニマルセラピーとして成り立たないのか』
と、いうのも、
自分がアニマルセラピーを取り入れたいと思ったのは、遠く幼い頃の話です。
私には、幼い頃から持病があったことや、家庭環境などから、動物たちに心を救われた経験が数多くありました。
それは、特別な犬や猫などから感じたのではなく、
捨て犬・猫ちゃんとの出会い
我が家に生まれた子猫・犬との触れ合い
我が家の犬・猫・金魚・うさぎ・アヒル・亀…などなど、あげたらきりがない、家族になってくれたペット達
水族館・ふれあい動物園での動物との触れあい
はたまた、水・動物園で、ただ動物たちと目があっただけの時ですら…
動物たちと心が通ったと感じることができた瞬間や、
ただ単純に、愛おしいと思った時、
また、こんなにも小さな動物たちが、精いっぱいに生きているという力強さを感じた時
それらは、全て、動物側に特別な訓練を必要としていません。
もちろん、
動物介在療法の特別な訓練をきちんと受け、認定に至っているわんちゃんたちについて、
心から素晴らしいことと思っていますし、安心して心の交流を担っていけることは大切な事と認識しています。
同時に尊敬の念と、感謝の気持ちも絶えません。
人間側に重篤な疾患がある場合など、どのような動きをするか推測が出来ないような交流の場合、
安定した動きが出来るセラピードッグの存在はとても重要です。
ですが、それと同時に、考えてしまう面もあります。
警察犬・介助犬・盲導犬…
人間のフォローをしてくれるためにトレーニングを受け、認定を受けてくれたわんちゃんたち…
でも、認定に至らなかったわんちゃんたちもいる。
トレーニングの向き・不向き、トレーナーとの相性、キャラクター、
諸々の事情で、『~犬』と、認定にならなかった場合。
また、人間から、殺処分送りなどの恐怖のトラウマを受け、
それでもなお、必死に人間との信頼関係を取り戻そうと頑張っている動物たちもいます。
では、そんな子たちは、
人と動物、お互いを、癒すことができないか。
人間と心の交流が出来ないか。
私はそんなことはないような気がしていました。
もちろん、動物そもそもが苦手な人も多くおられるかと思います。
まず、そうゆう方にアニマルセラピーはあてはまりません。
(苦手な方が、変わることもあります)
※当ルームは、全てのクライエント様にアニマルセラピーを推奨もしませんし、導入もしません。あくまで、適応やご希望を考慮いたします)
ですが、動物が好きと思われる人にとって、必ずしも、動物側に特別な『前置き』は必要ないような気もしているんです。
私は当ルーム立ち上げにあたり、カウンセリングの術を学んできました。
心についての知識や、クライエント様と向き合うということについて、ご提供出来るよう努めてきたつもりでいます。
ですが、
一匹の犬に、猫に、インコ、リクガメに…、癒す力が到底及ばないことが多々あります。
それだけ、動物たちが与えてくれる力は大きいと痛感しています。
苦しい時、たった一目、目が通い合った…。
そんなことで、閉じ込めていた思いがあふれて、許されたような気がした…。
そんな動物たちの力を、一緒に感じてみてほしい。
一緒に、動物たちと心の復活をしていきたい。
そう考えています。
※
CLOVER.では、カウンセリングの場に、
積極的に犬猫たちを同席させていく方向でおりますが、
CLOVER.の動物たちは、一般の家庭犬猫たちです。
また、保護施設にいた子や、人間に怖い思いがある子たちもいます。
吠えてしまったり…と、ご迷惑をおかけする場面もあるかと思います。
不快な思いや、避けてほしいなどの場合は、
もちろん遠慮なくおっしゃってください。
一度、了承いただいた後に同席をやめたい場合も、もちろんお申し出いただいてかまいません。
快く同席できる環境を整えていきたいと考えております。
ご不明な点などございましたら、お気軽にお声がけください。
お申し込み、ご不明な点などは、問い合わせフォームよりご相談ください。
ご都合に合わせて、応用なども可能な限り対応いたします。